エコキュートという名前を聞いたことがあるけれど、具体的に何のことかわからない人がおられるかもしれません。実際は、私たちの生活に密接に結びついている電気代に関係するものです。
この記事ではエコキュートについて、その仕組みだけでなく、メリットやデメリットなどについても詳しくご説明します。
1. エコキュートとは?〜仕組みについて
まず、エコキュートの概要やその仕組みについて、詳しくご説明します。
1-1. エコキュートとは?
エコキュートとは、日本の電力会社や給湯器メーカーが使用している名称で、エコと給湯(きゅうとう)をかけ合わせた造語です。関西電力の登録商標にもなっています。ちなみに正式名称は、「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」となっています。
2001年、日本の住宅関連機器メーカーであるコロナが発売した、省エネタイプの給湯システムです。
1-2. エコキュートの仕組みについて
次にエコキュートの仕組みをご説明しましょう。給湯器は、お湯を作るために電気やガスを使いますが、エコキュートタイプの給湯器は、電気を使います。エコキュートは、電気に加えて空気の熱も活用します。
空気の熱を水の加熱に使うため、その間をつなぐ冷媒(れいばい)と呼ぶ気体を利用していますが、エコキュートではこの冷媒に二酸化炭素を使うのが特徴です。
まずヒートポンプユニットと呼ばれるシステムに、ファンを回して空気を取り込み、集めた空気を「空気熱交換器」に送ります。空気熱交換器では、冷媒である二酸化炭素に熱が渡されます。冷媒は圧縮され、熱エネルギーを貯めた状態で「水熱交換器」に送られ、そこで熱を水に渡します。ここで加熱された水は、貯湯タンクに移されて保温されるのです。
熱を水に渡した冷媒はその後圧縮が解除されて膨張しますが、ここで熱を失い、また空気から熱を受け取る冷媒として再利用可能です。つまり冷媒が圧縮と膨張を繰り返して循環し、その過程で熱を水に渡して加温し続けられます。
外気を吸い込んでいますので、当然夏場はより高い温度の空気を取り込めるため、その分必要となる電気量を抑えられます。
ただし実際は最低気温がマイナス10度以下にならなければ、外気の温度は大きな影響を受けることはありません。もし外気がこの温度以下になるような地域であれば、寒冷地用エコキュートを使うとよいでしょう。
1-3. エコキュートは電気代が3分の1!
このように、電気の力だけでお湯を沸かしているわけではなく空気の熱も活用していますので、結果的に電気代を抑えられます。一般的には電気のみで加熱する給湯器に比べると、電気代は3分の1程度にすることが可能です。
ちなみに、エコキュートの加熱は深夜に行われています。つまりエコキュートは深夜電力を利用します。したがって、昼間に使う電気代よりも、さらに割安になることが期待できるのです。
2. エコキュートとは?〜メリット・デメリット
次に、エコキュートのメリット・デメリットについてご説明します。
2-1. エコキュートのメリット
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- 電気代が安くなる
エコキュートの最大のメリットは、電気代が安くなることです。これはエコキュートの仕組みでご説明したように、効率的にお湯を作れること、また割安な深夜電力を使うことが影響しています。
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- 学習機能があるため、必要以上のお湯を沸かさない
エコキュートには、学習機能がついています。ご家庭のお湯の使用量などの情報を記憶しているので、お湯の作り過ぎを避けることが可能です。
ただし、急な事情で大量にお湯を使用する必要があるときに対応できない、という欠点があります。
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- 省エネ対応である
エコキュートは省エネ対応でもあります。これは空気という再生可能エネルギーを使って熱を作っているからです。
2-2. エコキュートのデメリット
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- 設置費用が高い
エコキュートの最大のデメリットは、設置費用が高いことです。ヒートポンプユニットなど、通常の給湯器にはない設備が必要ですので、その分割高になってしまいます。
ただし、自治体によっては給付金が出ることがありますし、購入後の電気代、ランニングコストの安さを考えるとトータルでは割安になるのは間違いありません。
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- 設置場所を確保する必要がある
ヒートポンプユニットと貯湯タンクを必要とするエコキュートは、どうしても設置に広めの場所が必要となります。
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- 運転時に騒音が発生する
エコキュートは、運転時に低周波の騒音が鳴り、周辺への健康被害になりうるデメリットがあります。ただし、最近は静音タイプの製品が出てきていますので、設置前に動作音を確認するとよいでしょう。
3. まとめ
エコキュートの特徴やメリット・デメリットなどについて、詳しくご紹介してきました。「株式会社サニークラフト」は大阪府および兵庫県を中心に活動する、「丁寧な仕事」がモットーの給湯器専門の会社です。
温かいお湯を切らさないために、エコキュートの導入をお考えであれば弊社にどうぞご用命ください